エアコン移設する?しない?そのメリットデメリットを現役職人が解説
引越しに伴ってエアコンを移設するかどうか悩んでいる方も多いと思います。この記事では現役のエアコン工事職人がその問題についてアドバイス、解説しますので参考にしてください。
【目次】
エアコンを移設するメリット・デメリット
「引越しで新居にエアコンを移設するか悩んでいる」「知人が使わないというエアコンを自宅に移設したいんだけど」など、現在悩んでいる方もいればこれから同様の問題に直面する人も多いと思います。
おそらく皆さん、新しいエアコンを買ったほうが安いのか、移設した方がお得なのかわからないっていう状態だと思います。しかしそれは状況や状態により答えは変わりますので一概に「買い替えましょう」「移設しましょう」とは言えません。まずは、移設することのメリット、デメリットを知っておきましょう。
【移設することのメリット】
- ・目の前で出て行くお金が少なく済む可能性が高い
- ・新たにエアコンを探す手間がかからない
【移設することのデメリット】
- ・移設後に早期故障する可能性がある
- ・買い替えるより高くつくことがある
- ・最新の機種と比較すると電気代が高くつく
自分が何を重視しているか(コストなのか、手間なのか、そのエアコンへの愛着なのか)一度考えてみましょう。
また、移設するとエアコンの効きが悪くなると思われている方もいますが基本的に条件が同じであれば効きが悪くなるということはありません。もし効きが悪くなるとすれば、移設作業時に冷媒ガスが抜けてしまった、能力に見合っていない部屋に移設したなどが原因です。
移設せずに買い替えたほうがいいケース
さて、お客様に「エアコンを移設したいんだけど」と相談を受けても「買い替えた方がいいですよ」とアドバイスすることも少なくありません。なぜこのようなアドバイスをするのかはちゃんと理由があります。
製造から年数が経っている
エアコンの寿命は約10年とされています。もちろんこれ以上長く使える場合もあれば7〜8年で故障するエアコンもありますが、やはり10年前後でどこかしらに不具合が出ることが多いと思います。「故障しても直せばいいじゃんか」と思われるかもしれませんが、メーカーの部品保有期間は9年〜10年のため故障時期と原因によっては修理できない可能性も出てきます。修理できても内容によっては3万〜5万円かかることもあります。
なので、製造・設置年数が10年を超えたエアコンを移設したいというご相談をいただくこともありますが、著者自身は基本的にはお断りしており、実際多くの業者が断ると思います(依頼できても工事保証外などの条件付きなど)。
さらに設置後年数が経過したエアコンの冷媒配管は硬化し、移設先で配管交換が必須だったり(別途費用)、希望の施工ができなかったりすることもあるので総じて製造後7〜8年以上経っている場合には買い替えた方がお得なことが多いです。
工事費用がエアコン本体より高い
エアコンの移設費用は運搬まで含めると安くても20,000円程度かかります(インターネットで検索すると「移設5000円」とかありますが、まずこの値段ではできないので色々追加追加で20,000円くらいには「なります)
特にエアコン移設工事では配管交換など追加費用も発生しやすく、2万円の見積もりだったものが状況によっては3万円、4万円となることもあります。あとちょっとお金を出すだけで6畳用新品エアコンであれば買えてしまいますね。
さらにエアコン移設(取り外し)のタイミングでエアコンクリーニングをする人も多いですが、工事費用に加えクリーニング代1万円程度かかるとなるとなおさら移設するより買い替えた方がお得なことも。
部屋に対して能力が大きすぎる、小さすぎる
引越し先のリビングに200Vの能力の大きなエアコンが設置されているけど現宅の200Vエアコンを処分するのは勿体無いということで、200Vのエアコンを6畳の部屋に設置希望される方もいます。この場合、工事費用や電気代は多少高くなりますが「買い替えるべき」とまでは言わないです(使用年数にもよります)。
しかしその逆で「捨てるのは勿体無い」ということで6畳用エアコンを広いリビングに移設希望する方もたまにいますが、この場合は買い替えた方がいいです。
移設したのはいいけど明らかに能力不足で全然効かないってことになると結局買い替えが必要になり移設工事にかかったお金が全て無駄になります。
移設する時はどこに頼めば良いのか
結果的に移設することを決めたら、どこに依頼するか決めなくてはいけません。しかしインターネットで検索してもどの業者がいいのかよくわからない人も多いかと思います。
どの業者がいいかは依頼主が何を重視するか(費用?技術力?保証?人柄?)によって変わるので一口に「この業者さんがいい」というのはありません。しかし、移設工事業者選びの際に注意しておいたほうがいいことがあります。
それは引越し会社、家電量販店、見積もり比較サイトでは依頼しないことです。
まず引越し会社ですが、引越しと同時にエアコンの移設工事を依頼する人も結構多いです。しかし作業に来るのはどこの誰かもよくわからない下請け業者。特に引越し会社の下請けエアコン工事業者は孫請け業者も多く、かなり安い賃金で請け負っているため、お客様は高額な配管交換代やガス補充費用を請求されトラブルになっているケースを多く見てきました。明瞭な料金表などがないのも怖いところです。
家電量販店の場合、引越し会社と同様に下請け業者が作業に来ますが、引越し会社の下請け業者よりは技術力も対応力も上回ると思います。しかし家電量販店は製品を売ってなんぼの世界です。移設工事だけ依頼することはできますが金額的に割高になります。
見積もり比較サイトでより安い業者を探す人もいますが、曖昧な現場状況の把握だけで提示された見積もりで安い、高い比較してもほぼ意味がありません。実際に現場で見積もり金額+数万円の追加費用がかかると言われたという人も多いです。
やはり業者(職人)さん直でやりとりできるところに依頼することで情報の共有、不安の解消、正確な見積もりが期待できます。業者さんのホームページから問い合わせるのももちろんいいですし、マッチングサービスを利用して業者さんにコンタクトをとってもいいと思います。
まとめ
製造年から7〜8年以上経っているエアコンの移設はオススメしませんが、それ以内のエアコンであれば移設工事費用、移設後の予定使用年数を考慮し移設するかどうか考えてみてください。
移設する場合、直でコンタクトできる業者さんに依頼することで費用や対応力など不安なことを事前に払拭できる可能性が高いと思うので、引越し会社や家電量販店しか依頼先がないって思っている人は検討してください。
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