エアコンの室外機移動費用や注意点などを詳しく解説
室外機の移動費用
エアコン設置後に室外機だけ移動したい場合でも「それができない」と思っている人もいますが、できます。もし気になっていることがあるなら業者さんに相談してみましょう。
気になる費用ですがルームエアコンの室外機移動費用の相場は10,000円〜20,000円です。しかし、あくまで基本工賃なので状況により追加費用もかかるケースも少なくありません。詳しく解説していきます。
配管延長がある場合
室外機の移動に伴い、室内機から室外機につながる配管が不足する場合には配管延長作業が必須となります。配管延長となると配管代、延長作業代（ユニオン接続やロウ付け）が別途必要となります。その他、配管化粧カバーも延長するならカバー代もかかりますし、配管延長にともなって配管長が長くなる場合には冷媒ガスの追加充填も必要になることもあります。以下、費用をまとめました（著者調べ）。
| 項目 | 相場 |
|---|---|
| 冷媒配管（2分3分） | 2,000円/m〜3,000円/m |
| 冷媒配管（2分4分） | 2,500円/m〜5,000円/m |
| 配管延長作業代 （ユニオン使用の場合） |
1,000円/ヵ所〜3,000円/ヵ所 |
| 配管延長作業代 （ロウ付けの場合） |
3,000円/ヵ所〜8,000円/ヵ所 |
| 配管化粧カバー | 2,500円/m |
| 冷媒ガス追加充填 | 5,000円〜10,000円 |
| 室外機の特殊設置 | 5,000円〜 |
ここで、室外機移動作業の具体例を紹介して見ていきたいと思います。
- 【依頼主の悩み：ベランダにある室外機が邪魔】
- 依頼内容：室外機を3mほど反対側の端に移動させたい（配管の延長が必要）。
- 設置状況：2.8kwエアコンがリビングに設置されている。室外機はベランダに平置き。配管は化粧テープ巻きでカバー延長はなし。
【室外機移動費用】
- 基本工賃（室外機取り外し＆再取り付け）：10,000円
- 配管延長作業（ユニオン使用）：2,000円×2ヵ所＝4,000円
- 冷媒配管（2分3分）：2,500円×3m＝7,500円
【合計 21,500円】にて完了。＊依頼業者により費用は異なります。
配管延長を伴う場合、配管の単価は工事費用に大きな差をうみます。室外機移動の作業依頼は家電量販店など近くの電気屋さんで相談することもできると思いますが、安く抑えたいのであれば配管単価が比較的安い業者をネットで探すことをおすすめします。配管（2分3分）単価は高いところで3,000円/m〜4,000円/mなので、1,000円〜2,000円/mで提供されていれば良心的な業者だと言えるでしょう。
補足
室外機移動の時に冷媒配管の延長は特に制約等がないものの、連絡電線の途中接続についてはメーカーは推奨していません。途中接続延長に起因した故障や不具合についてメーカー保証は一切受けられなくなっています（電線の接続に起因しない故障の保証は大丈夫）。
しかし実際の現場では、現場状況的に電線を途中接続延長しなくてはいけない場面もあるので、電気工事士による圧着等の正式な方法による延長作業を行うこともあります（機器的には途中接続がない１本ものの電線を使用することが理想ですが）。
室外機移動に伴い電線の延長をするか、しないかはその設置状況やお客さんの金銭的事情、職人さんの見解により変わります。延長しない（電線全交換）場合には基本的にエアコン（室内機）も一度取り外す作業が必要になるので室外機移動工事費用は高くなります。
配管延長がない場合
室外機の移動に伴い、既存の配管では長すぎる場合もあります。配管延長がなければ当然の事ながら配管カバーの延長や冷媒ガスの追加補充の必要もないので、室外機の取り外し＆配管の長さ調整と再取り付け費用のみで完了します。
室外機が特殊設置の場合
室外機の既設状況および移動後の設置状況が特殊設置になる場合には追加費用がかかります。具体的には、公団吊り、屋根上置き、壁面金具置き、高所作業などです。
よくあるケースとして、「（マンション）ベランダに置いてある室外機が邪魔だから公団吊りで設置したい」「（戸建）２階のベランダに設置してある室外機を地面に設置したい」などです。このような場合は特殊作業費が追加で発生します。状況によりその金額も大きく変わることがあるので見積りをしてもらいましょう。
室外機移動で注意すること
自分で動かさない
たまに「少し移動させるだけだから大丈夫」だろうと室外機の位置をご自分で無理やり移動させる方がいますが、ガス漏れの原因となるのでやめたほうがいいです。
室外機には配管がつながっており、この配管内には高圧のガスが入っています。室外機を無理やり動かすことで接続部分に負荷がかかり、ガス漏れを起こしてしまう可能性が大いにあるのです。ガス漏れを起こしてしまうとエアコンの冷暖房は効かなくなり、修理費用で2〜3万円程度かかります。
実際、住宅のリフォームの際に塗装業者や外構工事業者が室外機を無理やり動かしガス漏れさせてしまうケースも珍しくありません。配管がつながったまま室外機を無理やり移動させることはやめましょう。
移動先も確認する
以前、室外機の場所を変えたいということで作業させていただいたお客様から「隣人から室外機の場所を変えてほしいと言われてしまった」と再度作業依頼を受けたことがあります。
もうわかるように、お客様自身の都合だけでなく隣人の都合も考えることが大切です。狭小住宅では室外機が設置できる場所も限られますが、いくら生活に支障がなくても自分の家の外壁に隣の家の室外機の温風（冷房時）が当たることを嫌がる人は多いものです。最初の作業のとき、「隣の家に風が当たるから承諾を得たほうが良いですよ」と助言しましたが、お客様は「その時になったら考える」ということで結果的に二度手間となってしまった事例です。
そのほか、プロパンガスの住宅は要注意です。液化石油ガス法により、室外機はプロパンガスから2m以上離すことが求められています（諸条件あり）。なお、自治体によっても見解が若干異なるので詳しくは自治体または契約のプロパン業者に確認してください。プロパンガスボンベと室外機の位置関係によってはガスの定期点検時に「不良」と判断されることもあるみたいです。
まとめ
設置した後でも室外機の位置だけ変えることはできるので、気になっていることがある方は業者さんに相談してみましょう。室外機移動費用について料金などを明示している業者さんは少ないですが電話やメールで見積もりをお願いすることは可能です。
見積もり時には、どのくらい（m）移動させたいのか、配管の延長はありそうかなどを予めチェックしておくとスムーズです。なお見積もり金額が高いからと言って自ら無理やり動かすとガス漏れを起こしエアコンが効かなくなるということも珍しくないので注意してください。
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