賃貸の退去時にエアコン取り外した後の壁のビス穴の修繕必要か?
基本的にビス穴修繕は必要ない
エアコンは「背板」という薄い鉄板を壁にビスやボードアンカーで固定し、そこにエアコン本体を取り付ける構造になっているので、エアコン取り外したら壁にビス穴やボードアンカーが残ります。
賃貸のお宅ですと、退去時にビス穴も修繕しなくてはいけないのか(原状回復)心配になられる方も多いですが、国土交通省のガイドラインに
エアコン(賃借人所有)設置による壁のビス穴、跡についての考え方は、エアコンについても、テレビ等と同様一般的な生活をしていくうえで必需品になってきておりその設置によって生じたビス穴等は通常の損耗と考えられる。
と記載があります。つまり、普通に設置しているのであればビス穴は原状回復の義務は必要ないということです。
実際に私自身も過去に住んでいた2つの賃貸アパートに住んだことがあり、それぞれエアコンを設置しましたが退去時にエアコン設置時に開いたビスの穴の修繕を求められたことはありません。
ちなみにエアコン設置の際にはだいたいビスで6〜10本、ボードアンカーで2〜4本使用します(壁の状態や機種によって若干変わります)。
原状回復が必要なケース
しかし、国土交通省のガイドラインに記載があるからと言って、必ずしも原状回復が必要ないというわけではないので解説していきます。
契約書の特約に記載がある
賃貸契約書に「エアコン撤去後のビス穴や設置跡の原状回復については賃借人が負担する」というような記載があり、すでに合意しているのであれば文面通り原状回復の義務が生じてしまいます。
契約前であれば必ず確認しておきましょう。
勝手にエアコンを設置した
貸主や管理会社に事前に確認もせずにエアコンを設置した場合には退去時に原状回復しなくてはいけないこともあるようです。
特に賃貸ではエアコンを取り付けて良い場所、ダメな場所があるので、自分の生活の都合から勝手に設置位置を決めると大きなトラブルになることもあります。エアコン設置したいときは必ず設置しても良いか、場所や施工について制限はあるか確認しておきましょう。
通常使用以上にビス穴がある
エアコン設置の際にはだいたいビスで6〜10本、ボードアンカーで2〜4本使用すると前述しましたが、素人のような人がエアコンを設置するとビスを30本くらい(またはそれ以上)使ったり、ボードアンカー打つのに何度も失敗されていたりします。するとエアコンを設置している壁は穴だらけ。状態によっては壁紙だけでなくボードから交換が必要になることもあります。
入居者にとっては「業者が勝手にやっただけ」でも貸主からすれば「入居者がやった」ことになるので入居者は責任逃れはできません。
また、配管固定や配管化粧カバー施工で室内外の壁に穴を開けると退去時に原状回復を求められる場合もあります。中にはエアコン配管カバーは施工しないようにと最初から規定されているマンションもあるくらいです。
まずは貸主に相談を
とにかく、何か心配なことやわからないことがあれば貸主や管理会社に相談してください。場合によってはエアコン設置時に工事業者に相談してもいいと思います。
エアコン設置業者も長年やっている人であればある程度正しいアドバイスはくれますが、やはりその住宅のルールや原状回復については一番詳しいのは貸主です。また、口約束で心配なこと(大きな穴あけの修繕など)は文書に示してもらった方がいいかもしれません。
まとめ
賃貸で入居後に自分でエアコンを設置した場合、退去時には基本的にエアコンも撤去しなくてはいけません。その撤去の際、壁にはいくつかのビス穴とボードアンカーが残りますが、これに関しては入居者に原状回復の義務はありません(国土交通省のガイドラインにより)。
しかし、入居者が勝手に設置した場合や通常使用の度を超えたビス穴などについては原状回復を要求されることもあるでしょう。
賃貸に入居後にエアコンを設置するのであれば事前に貸主・管理会社に設置しても良いか、制限やルールはあるか、工事当日は連絡がつくか確認しておきましょう。
また、エアコン工事業者によっても賃貸のことを考慮した施工を行ってくれるかがかわるので、工事依頼の問い合わせ時に職人さんに直接聞いてみてもいいと思います。
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