エアコン取り付け工事を業者に依頼する前に確認すべきこと
エアコン取り付け場所も機種も現場により違い、簡単な工事から難しい工事まであります。当然工事費用が変わるだけでなく、業者さんによって工事対応できるかもわかれます。
業者の立場からすると「エアコンの取り付け工事をお願いしたい」とだけ言われても、現場状況を聞いたり、見たりしないと答えようがありません。意外と何も確認せずに問い合わせをするお客様も多いものです。
特別なケースを除けば、ルームエアコンの工事では工事前にお客様宅に伺い現場調査をすることはめったにありません。スムーズに見積もり〜工事を完了させられるためにも、エアコン取り付け工事前にお客様自身でこれからお伝えすることを確認しておきましょう。
【目次】
エアコンの型番
型番は必須です。ルームエアコンでは小さいものでは6畳用の2.2kwエアコンから約30畳用のエアコンのものまであり、作業に必要な道具や部材、作業難易度(人員)も変わるため、大きなエアコンになるほど作業費用も上がります。
例えば、CMでもお馴染みのダイキン製の「うるるとさらら」エアコンは工事が大変で6畳用でも通常工事費+5000円以上かかります。重量もあるため工事を引き受けていない業者さんも珍しくありません。
型番や重量などの情報は室内機側面のシールに記載があるのでメモに控えましょう。エアコン購入前であっても対象エアコンの情報は調べておく必要があります。
専用コンセントの有無とその電圧
エアコン設置の際に電気工事が必要になるかもしれないので確認必須。
エアコンの電源は基本的に「エアコン専用コンセント」からとります。エアコン専用コンセントとは安全ブレーカー1つに対して接続される機器がエアコンのみ(1回路)という状態のことです。天井よりのエアコン設置付近にコンセントがあれば概ねエアコン専用となっています。足元にあるコンセントは他のコンセントと分岐していることがほとんどなのでエアコンでの使用は基本的にNGです。
家電量販店の場合にはエアコン専用コンセントがないとエアコンを取り付けてくれません。エアコンを購入したはいいけど工事当日に「専用回路がないから取り付け不可です」ってならないように。
専用コンセントがない場合には分電盤から電線を引っ張り「コンセントの増設」作業を行う必要がありますが標準で15000円程度かかります。
また専用コンセントがある場合には、「100Vか200Vか」と「アンペア数」を確認して下さい。200Vであれば赤文字で200Vとコンセントに表記があり、コンセントの差込口付近にはアンペア(A)数(15Aまたは20A)が彫られているのがわかります。
配管貫通穴(スリーブ)の有無と外壁の種類
エアコンの配管を外に出すために壁に直径65mm程度の穴(スリーブ)が必要です。
マンションやアパートなどの集合住宅の場合では基本的にスリーブはエアコン設置する場所付近にあります。戸建の場合には無いこと多く、エアコン工事業者の方で穴あけ作業(「コア貫き」とも言う)を行うことがほとんどです。建物の造り(木造・鉄骨・RC)や外壁の種類(モルタル・窯業系サイディング、金属系サイディング(ガルバリウムなど)タイル、ALC、コンクリート)、壁厚によってその費用は異なります。
注文住宅の場合では特別な建築手法がとられていることもあり、壁内の構造がハウスメーカーや工務店でないとなかなかわからないことがあります。しかしわからないからと言って適当な場所に穴をあけてしまうわけにはいきません。建築時にエアコン設置予定の場所を撮影しておくなり、工務店に「問題ない場所」を示して もらっておくとエアコン工事の際にスムーズです。
もし賃貸住宅の場合には穴あけに際してオーナーの許可が必要です。もし壁に穴が開けられないという場合には「窓パネル」というものを窓冊子に取り付け配管を出すこともできます。
室外機の設置場所と設置方法
室内機に対しての室外機の位置やその設置方法によって工事費用は大きく変わります。
地面設置や床置き設置は基本作業となりますが、公団吊り(天吊)金具上、屋根の上、壁面金具の上、二段置きなどは特殊設置となり必ず追加費用がかかります。またそれらの特殊設置は設置環境や技術的なことも考慮する必要があります。
配管の長さ
室内機と室外機をつなぐ配管の長さが長いほど配管代もかかりますし、規定以上(10mとか15mとか)の配管長の場合にはガス補充も必要です。だいたいの長さでいいので業者さんに伝えておいたほうがいいでしょう。
配管化粧カバー施工の有無
配管カバーは室内に施すものと、室外に施すものがあります。両方施工を希望するのか、一方だけでいいのか、特にカバーはいらないのか、事前に決めておきましょう。また、建物の構造に合わせてカバーを取り付けるため、カバーの「延長」や「曲がり(45度や90度)」が必要な場合には追加費用がかかるのが常です。カバーをつけたいかつ、正確な見積もりが欲しい場合には依頼業者に写真を送るなどするようにしましょう。
その他お客様の要望
お客様によって、「どのように施工してもらいたい」は違います。設置後に「あぁ室外機の位置をズラして欲しい」と思っても対応してもらえなかったり、対応してもらっても別料金が発生するなどいいことはありません。必ず自分の要望・希望がある場合には工事開始前に業者の伝え相談してください。
著者である私も日々現場へ出ていますが、お客様から事前に聞いていたことと現場で言われることが違うケースもあります。工事日までに希望する作業内容が変わった時にも随時業者さんに連絡してあげるとお互い気持ちが良いものです。
まとめ
現場や対象機種により工事費用は大きく変わりますし、その内容によっては工事を受けてもらえないこともあります。事前にこれらを鮮明にしておくことで工事日当日のトラブルを回避できると思います。
わからないことがあったり、いちいち調べるのが面倒だっていう時には業者さんに写真を送って確認してもらってもいいでしょう。
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