エアコンが壁から落ちてくる!?原因と対処方法|落下したエアコンはまだ使える?
きっとこの記事を読んでいる方の大半は、すでにエアコンが壁から落ちてしまっている。または、落ちかけている状態のどちらかだと思います。
エアコンが壁から落ちてしまったら無理に戻そうとせずに、まずは取付業者、賃貸の建物で入居前から設置されているエアコンであれば管理会社や物件オーナーに連絡し、身の安全を第一にとりましょう。
この記事ではエアコン落下の原因や対処方法、そのエアコンはまだ使えるのかなど工事の観点も入れながら解説していきます。
【目次】
エアコンが落下の危険性と被害例

皆さんの家ににも最低1台以上は設置されているであろうエアコンですが、もし壁から落ちてしまったら・・・と考えたことはありますか?実はエアコン落下の事故はあなたの身にも起きるかもしれません。実際、「壁から落下してきてどうすればいいかわからない」「落ちてきそうだから早急に修理してほしい」などの相談が毎年寄せられます。
エアコン落下により、
- 落ちてきたエアコンで怪我をする。
- 壁や家財が壊れる。
- 水が垂れて家電がショートして使えなくなる。
- エアコン自体が壊れる。
などの危険性と被害があります。特に、怪我の可能性については留意が必要です。例えば、寝室のエアコンが枕元の真上に設置されており、就寝中に落ちてきたら大きな怪我(場合によっては怪我では済まないかも)につながります。赤ちゃんや子供の上に落ちてきたら大事故です。
このような事故を起こさないためにもエアコン落下の原因を知っておく必要があると思います。
エアコン落下の主な原因
エアコンが落下する主な原因を下記にあげてみました。
設置不良
原因としてよくあるのが、設置工事不良です。
設置業者ももちろんエアコン落下の危険性については理解していると思いますが、技術不足等により適切に取付作業が行われない場合があります。
まず、エアコンが落下する現場のほとんどの壁が石膏ボードです。エアコンを設置するときは据付板という薄い鉄板を石膏ボード壁に固定するのですが、適切にビス(ねじ)やボードアンカーで取り付けされないと据付板ごと壁から落ちてくるような事故につながる可能性があります。

上写真の赤丸がついているボードアンカーがメーカー推奨の傘式ボードアンカー。一番左のモノ(壁タップ)が軽量物を石膏ボードに固定するためのアンカー(正式にはアンカーではない)です。エアコン落下の現場のほとんどで一番左側の壁タップが使われています。エアコンの重量により壁タップごと壁から抜け落ちる事故はよく起きています。
経験不足や技術不足だけでなく、部材費用や施工時間節約のためにビスだけ(+壁タップ)で固定したりする業者が実在するのも事実です。夏はアルバイト感覚で出稼ぎにくる業者や、数日講習を受けて現場に出されるような人も施工にあたっています。
経年劣化や環境要因
古い建物ですと石膏ボードが劣化しており、適切なボードアンカーを利用していたとしてもエアコンの重量に耐えきれなくなりエアコンが落下してしまうことがあります。
なお、エアコン落下の事故はほとんどがマンションで起きています。これは、マンションの躯体はコンクリートで石膏ボードがGL工法(だんご状のボンドで躯体に石膏ボードをくっつける方法)で施工されていることが多いのですが、GL工法の壁は強度がなかったり、躯体と石膏ボードの間にスペースがなく、据付板取り付け時に使いたいボードアンカーを使用できないというケースがあるからです(結果的に無理な施工をしてしまう)。
エアコン自体の重量問題
正直、著者はエアコン落下の一番の原因はエアコン自体の重量問題にあるように思います。「エアコンが落下した」「落ちかけている」ということで相談される機種のほとんどが多機能エアコンだからです。
自動掃除機能や加湿機能、換気機能そして省エネ性能向上などで昔に比べてエアコンの重量はかなり増えました。軽い機種ですと8kgくらいですが、多機能エアコンになると15kg以上、なかには20kg超える機種もあります。ちょっと機能がついただけでも15kg前後です。数字だけではなかなか想像が難しいかもしれませんが、8kgと15kgでは実際に持つとその差をかなり感じます。
さらに近年はそのエアコンのデザインも前に飛び出しているようなデザイン(壁から40cmくらいの出代)のため、前下方向に力が加わり、より壁から落下するリスクを抱えるようになりました。そのため、石膏ボードでも下地(木)がない現場ではこのような機種の取り付け工事を断るエアコン工事業者も増えてきました。しかし前述のように経験不足等の業者だと重量級のエアコンでも他のエアコンと同じように設置してしまうこともあり、落下事故につながってしまいます。

近年増加!?DIY設置や不適切な施工
近年はYouTubeをはじめ、エアコン工事方法もネットである程度知れるようになったと思います。そこで増えたのがエアコン取り付けのDIYです。しかし、当然ながらネットで知れることが全てではありません。職人は取り付ける壁の状態、材料、機種の重量、配管方法などから据付方を決めます。「たくさんビスを打てば大丈夫」みたいなことはありません。
著者もDIYによる不適切な施工を何度も目にしていますし、修理したこともありますが、石膏ボードにコンクリート用のビスが打たれていたり、ボードアンカー同士が近すぎて強度がとれていなかったり・・・。これらはエアコン落下事故にもつながるということは頭に入れておきましょう。
エアコン落下を防ぐためのチェックポイント
エアコン落下を防ぐには、①強固に固定するために壁に下地を入れる、②適切に取り付ける、③重量級エアコンを避ける、基本的にこの3つの方法になります。
建築時であれば、エアコン設置予定の場所に下地(木)を入れておくことをお勧めします、下地があれば重量級エアコンでも落下のリスクをほぼ無くすことができます(ビスを木にしっかりねじ込めるため)。下地がなく、石膏ボードだけの壁であれば適切に作業してくれる業者に依頼することが大切です。工事込みでエアコンを購入するとどのような業者が工事にくるかわからないので、可能であれば工事業者は自分で選び、工事を依頼するのがよいでしょう。
そして、下地がない石膏ボードに取り付けるのであれば、なるべく重量級エアコン(12kg以上)は避けた方がいいでしょう。エアコン購入時に壁のことなんて気にするお客様はほとんどいませんが、重量級エアコンを買って「取り付けできない」と業者に言われてしまい、返品になってしまうケースも近年では珍しくありません(返品できなかったらさらに面倒)。
万が一エアコンが落下したときの対処法
もしエアコンが落下したら、安全を確保し、コンセントから電源を抜いてください。そして工事業者または管理会社(賃貸の場合)に連絡しましょう。自分でどうにかしようとしてもきっと無理なので、基本的にはエアコン取り外し、(必要であれば壁の補修)、再設置工事が必要となります。
エアコンは買い替えが必要?
落下によりエアコン自体に起きる問題としてガス漏れ、配管折れがよくあります。場合によってはエアコンの破損や漏れた水によるショートも考えられます。
ガス漏れだけの場合は買い替えは必要ありません。修理し、ガス充填を行うことでまた使えるようになります。配管折れの場合は折れ箇所にもよりますが配管交換やロウ付け(溶接みたいなもの)をすることで直すことができます。
どのような問題が起きているかによりエアコン本体の買い替えが必要かどうかを考える必要があるので業者による点検が必要になります。
安心してエアコンを使うために
上記のことからもわかると思いますが、落下事故を起こさないためにも、適切に取り付ける必要があり、落下リスクがあるなら取り付けないという選択肢も取らなければいけません。どちらにせよ、ある程度の経験と技術がある業者への依頼が必要です。
できることなら自分でエアコン設置予定場所の壁の構造や材質を調べておくとよいでしょう。下地があるかないかはわからない場合には、下地探しという工具を使って調べられます。
まとめ
エアコン落下は施工不良、設置環境、選定機種の重量、これらが相互に関係し引き起こされるものです。落下事故が起きてしましったら自分でなんとかしようとせずに工事業者や管理会社に連絡しましょう。そして、落下事故を起こさないためにも壁構造の理解・把握、機種選定、業者選定をしっかり行うことが大切です。リビング用のような重量級エアコンはやはり落下事故も多いので、工事業者に相談してから機種選定を行ってもよいと思います。
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