エアコンのガス漏れ修理の手順。使用する道具や機材とは

漏れ箇所を特定する

まずは本当にガス不足状態にあるのかを確認するために圧力計（マニホールド）で確認します。

マニホールドを室外機のサービスポートに接続し、静止圧（停まっている状態での圧力）を測定。圧力が低いとガス不足の診断となります。この時、ガスがある程度残っていると、エアコンは効かないけど圧力は正常値を示すこともあります。そんな時は冷房（暖房）運転時の圧力も測定します。

ガス不足という診断ができたら、漏れ箇所の特定をしなくてはいけません。

特定方法としてまずガス検知スプレーがあります。泡スプレーを吹きかけることでガス漏れが起きているとその部分から泡がブクブク発生し検知できます。簡易的な方法で誰でもできますが、ガスの残量がほぼない場合やガス漏れが微量の場合には検知が難しいです。また１箇所１箇所スプレーし確認する作業になるので時間もかかります。基本的には検知器で反応が出たところに吹きかけ最終確認のため使用します（個人的な使い方です）。

プロの業者の場合にはガス漏れ検知器を使用することも多いです。ガスの成分を検知すると音と光で知らせてくれます。機器の内部まで調査することができるのでガス漏れ修理する業者であれば必須かもしれません。

ガス残量がないと検知器も反応が悪くなるので、もし検知器の感度MAXで調査しても反応が出ない場合にはてテストガスを封入し調べます。

漏れ箇所を修理する

泡テストまたは検知器で漏れ箇所が特定できたらその分を修理します。漏れ箇所は様々ですが、ここではガス漏れ箇所として一番多い配管の接続部分から漏れていたと想定し話をすすめます。

配管接続部分でガス漏れが起きていた場合にはその部分を取り外し、配管やナットの状態を確認後フレア加工を新規に行い接続し直します。この時、ガス漏れ防止剤をフレア面に塗ることでガス漏れリスクを減らせます（使い方や使用する量に注意）。

真空引き後に冷媒ガスを充填する

漏れ箇所の修理が終わったら配管（機器内含む）を真空ポンプとマニホールドを使って真空引きします。真空引き完了後、ある程度の時間放置（真空放置）し、規定圧（-0.1MPa※気温等により若干の誤差あり）の値に変化がないか観察します。この時、変化（圧力の値が高くなる）があればどこからか外気が配管内に侵入しているということなのでガス漏れ箇所の修理ができていないか、まだガス漏れ箇所が存在する可能性がありますので注意してください。

圧力値に変化がなかったら、規定種・規定量の冷媒ガスを封入します。圧力計だけでガスを充填する業者もいますが、規定量のガスを入れる必要があるので計りを使った方がいいです。

ガスボンベからガスを充填する際、規定量に近くにつれガスの入りが鈍くなります（圧力差がなくなるので）。もし規定量までガスを吸い込んでくれないって時は冷房運転を行うことで規定量までガスを入れることができます（ガスの過充填に注意）。

試運転する

冷媒ガスの充填が終わったら試運転。ちゃんと冷暖房が効いているか確認し完了。

同時に水漏れ試験もした方がいい場合もあります。というのも、通常であれば水漏れを起こす状況だったけど、ガスがなくエアコンも効いていないために冷房時に結露水が発生しておらず結果的に水漏れもなかったという現場が稀にあります。ガス漏れ修理をしたことでエアコンが効くようになったけど今度は水漏れするとなるとちょっと面倒です（個人的には一度経験があります）。ちょっと怪しいなと思ったら水漏れ試験もやっておいた方が無難です。