現場で見たエアコンからの水漏れの原因と対処方法|自分で修理するか業者に依頼するか
エアコンから水が発生する仕組み
夏場、冷房を使用すると低温の冷媒ガスが通ることにより室内機内部の熱交換器(フィン)は冷やされ外気温との差で結露が起き、結露水が発生します。
発生した結露水は「ドレンパン」という受け皿のような所に溜まり、通常はドレンホースを伝って外へ排出されます。そのため室外のドレンホース先端から出ている水は室内機内部で発生した結露水であり、これは正常の仕様です。
しかしそれ以外の場所(室内機の横や背面)から水が出てくることがあり、これは異常です。原因を探り早急に修理する必要があります。
水漏れが起きる原因
エアコンの水漏れ原因は様々。実際の事例も紹介しながら解説します。
ドレンホース(排水経路)が原因の場合
ドレンホースにゴミや虫が詰まっている
室内機の結露水が溜まる「ドレンパン」という場所、または排水経路であるドレンホースのどこかでゴミ・汚れ・虫が詰まっていることで水が正常に排出されずに室内で水漏れするパターンが一番多いです。
簡単に修理できることもあれば、業者に依頼しなければ修理が難しいこともあります。
「詰まり」が原因の時の対処方法
- サクションポンプで吸う
- サクションポンプとは吸引器です。外に出ているドレンホースの先端から吸引することで詰まっているゴミと水を強制的に排出することができます(サクションポンプの使い方はこちら(動画))。
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- ドレンホースを交換する
配管が出ていると思いますが、室内機からだいたい30cmくらいの場所にドレンホース接続部分があるので、配管カバーを外すまたは、化粧テープを剥いで接続部分を露出させます。接続はテープで留まっているだけなので簡単に外せます。
室内機側のドレン(30cmくらいのやつ)はそのままにし、それ以降の室外機の方へ配管されているドレンホース全てを交換(ドレンホースはホームセンターで買えます)。室内機のフィンに水をかけ、問題なく外に排水されるようになれば修理完了です。
- 業者へ修理依頼
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上記2つの対処をしても水漏れする場合には、室内機の中か、室内機側のドレンホース(30cmくらいのやつ)で詰まっている可能性が高い。DIYである程度分解できれば原因を特定することもできますが、なかなか難しく、無理に行うと別の問題を抱えてしまうこともあるので、ここからはできれば業者に修理相談するのがおすすめ。
場合によってはエアコンを取り外さないといけなかったり、クリーニングをしなくてはいけないことも多く、それなりの出費となるので年数が経っているエアコンの場合には買い替えも検討しましょう。
【実例】カナブンが詰まって水漏れ
お客様から「設置後7年のエアコンから水が漏れる」とご相談。設置後年数も経っており、クリーニングもしたことないと言うので、当初はよくあるゴミや汚れ詰まりかと思ってました。
現場調査するとエアコンは綺麗な状態。とりあえず室内機に水を流し、外のドレンホースを見てみると水は出ていました。
お客様曰く、「冷房使用して1時間くらいで水が漏れる」とのこと。つまり、水は流れるけど同時間に排出される量よりも発生する量の方が多く、ある程度時間が経つとオーバーフローしてしまう状態。これは排水経路のどこかで詰まりかけている証拠。
ドレンホースは外して調査すると、室内機から15cm程度下の部分にカナブンが詰まっていました。
ドレンホースにトラップができている
横引きされた配管が途中でたわんでいたり、外に出ているドレンホースの先端が上がっていたりすると水が溜まり、室内機側で水が溢れてくることがあります。
「トラップがあった」時の対処方法
まず室内機から室外のドレンホース末端までを目で追い、途中でトラップができている場所を確認しましょう。配管の固定部品(サドル)が劣化で外れてしまっている場合には、業者に依頼するか、ホームセンターでサドルとビスを用意し、電動ドライバーで壁に固定し直してください。
ドレンホースの先端が上がってしまっている場合には下向きにするだけで大丈夫です。
エアカットバルブの詰まり
外の空気がドレンホースを通じて室内に侵入していこないようにドレンホースに装着するエアカットバルブ。マンションにお住いの方はお使いの方も多いと思います。しかしこのエアカットバルブは定期的な点検が必要です
エアカットバルブには排水と同時に流れたゴミが長年かけて蓄積します。放置しておくと溜まったゴミでエアカットバルブの出口が塞がれ、排水困難になり室内機側で水漏れを起こす原因になります。
エアコン設置時にエアカットバルブが何なのか大してわからないまま業者に勧められて取り付けている人もいるので確認しましょう。
ドレンホース接続の緩み
室内機とドレンホースの接続が緩んでいると、室内機背面から水が漏れてくることがあります。基本的には緩まないようにビスや留め具で固定されるのですが、押し込みタイプの機種(一昔前のパナソニックやコロナのエアコン)ではドレンホースの緩みが原因で水漏れを起こすことも。
「ドレンホースの緩み」が原因の対処方法
水漏れ箇所が室内機裏になるため、全面グリルを取り外すか、エアコンを一度取り外さなくては修理できないので、業者に依頼することがほとんどだと思います。
設置工事ミス
ドレンホース関係のトラブルの次に多いのが、施工不良によるものです。
室内機の逆勾配
排水の関係で室内機は水平または配管穴方向に少し傾けて取り付ける必要があります。しかし、施工不良で配管穴とは逆方向に傾いた状態で設置されてしまうことも。設置状況によっては配管に押し返されて傾いてしまったというケースもあります。
お客様がDIYで室内機の傾きを直す修理対応は難しいので早急に施工業者に連絡してください。
ドレンホース差し替えしていない
エアコン設置時、室内機に接続するドレンホースは配管穴方向に合わせて左右どちらかに差し替えなければいけません。新品エアコンは右背面にドレンホースが接続されているのですが、エアコン設置場所を正面から見たときに配管穴が左方向にあるなら、ドレンホースを左に差し替えなければいけません。
しかし極稀にそのことを知らない素人業者が差し替えずに無理くり施工してしまうケースもあります。結果的に水が溜まって(トラップができる)室内機からオーバーフローしてしまうことになります
DIYでの修理は難しいのでこれも業者に相談してください。
余談ですが、エアコン工事業界の繁忙期である夏にはものすごい勢いでエアコンが売れますが、職人不足になります(地域によっては家電量販店などで工事まで1ヵ月待ちとかもある)。そうなると、倉庫のような場所で数日間だけ基本的な講習を受けただけのような人が一人で現場に出されることもあり、ほぼ素人みたいな人に施工されてしまうお客様もいます。なるべく真夏の工事を避けることや、自分で工事業者を探すことでこのような問題は回避できます。
配管の断熱不足
「ポタポタ」というような少量の水漏れの場合には冷媒配管またはドレンホース自体が結露してしまっているケースが多いです。単純に施工ミス(断熱していない)の場合もあれば、気温と湿度が高いときだけ配管が結露してしまうというケースもあります
「断熱不足」が原因の場合の対処方法
- 配管が室内機の右側から出ている場合
室内機から30cmくらいの場所に配管接続部分があるので、そこに水滴がついているようであれば、そこをタオルでぐるぐるに巻く。または業者に修理依頼する。
- 配管が室内機の左側から出ている場合
配管接続部分は室内機の裏側になるので、DIYで修理対応するのは難しい。基本的には業者に修理依頼。
部品の損傷
発生した結露水を溜めておくドレンパンやドレンホースを接続する部分に亀裂が入ったり破損してしまうと、そこから水漏れを起こすことになります。現地調査前を行ってやっと分かることが多いです。
「部品の損傷」が原因の場合の対処方法
- ドレンパン損傷の場合
基本的にはメーカーに修理依頼、またはエアコンの買い替え。ドレンパンの割れ箇所を特定し修理(エポキシなどで修理?)するだけでも相当な手間と費用がかかる。
- ドレンホース差し込み部品の損傷の場合
損傷具合によっては専用部品で修理可能。根元での損傷となるとメーカーに修理依頼、またはエアコンの買い替え。
水漏れ修理費用
エアコンの水漏れの原因は様々です。また、エアコンの設置環境もそれぞれなので水漏れ原因は大したことなくてもそこを修理するのに高所ハシゴ作業が必要になったりすることもあります。「ただテープを巻くだけ」でも10000円程度かかることだってあります。
そのため、費用については一概に「◯◯円です」とは言えません。表の目安の金額を参考にしてください。
項目 | 目安 |
---|---|
ドレンホース/m | 300円〜500円/m |
ドレンホース交換工賃 | 3000円〜7000円 |
サクションポンプで直る場合 | 3000円〜7000円 |
室内機傾き修理 (取り外しあり) |
10000円〜 |
高所ハシゴ作業 | 3000円〜5000円 |
まとめ
エアコンからの水漏れ原因は大きく分けると、ドレンホースのつまり、設置工事ミス、劣化になります。原因と設置環境によってはご自分で修理することも可能です。業者に修理依頼時にも工事業者に依頼するのか、クリーニング業者に依頼すべきなのか分かれますが、まずは工事業者に聞き状況を話した上でアドバイスを貰えばいいかと思います。
いずれにせよ、水漏れは家を痛める可能性もあるので、微量でも確認したら早期に修理をしましょう。
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