エアコンの配管カバー、後付けできる?できない?現役職人が解説します
よくエアコン設置後に「配管カバーの取り付けだけ依頼したいのですが?」という問い合わせをいただきます。お客様は「カバーをつけるだけ」という認識かもしれませんが、実際はそう簡単ではありません。
この記事では「エアコンを取り付けたけどその配管の見た目をどうにかしたい」「これからエアコンを取り付けるけど化粧カバーをつけるか悩んでいる」という人向けに費用や配管カバー施行の流れ、注意点などを現役の職人が紹介してますので参考にしてください。
【目次】
エアコンの配管化粧カバーとは
エアコン配管の化粧カバーとは、その名の通り、エアコン室内機と室外機をつなぐ配管を綺麗におさめるためのカバーのことを言います。「ダクト」と言われることもあります。
全てのエアコンにこの配管化粧カバーが施工されているわけではなく、配管化粧カバーの施工はオプション工事になるためエアコン取り付け工事の時に希望しなかった場合、配管は「化粧テープ巻き」仕上げになります。
配管化粧カバーには、室内用と室外用があるので施工を希望する場合には事前に業者さんに「どちら(または両方)のカバーを施工してほしいか」伝えましょう。なお、それぞれ役割や料金も異なりますので解説します。
室内カバー
室内配管カバーの役割としては、見た目をよくすることです。
通常の化粧テープ巻仕上げでもエアコンの性能はほとんど変わりませんが、その見た目はどうしても部屋全体の美観を損なうことがあります。その問題を解消してくれるのが室内配管化粧カバーです。特に配管を通す壁穴と室内機が離れることが多いマンションでは施工を希望される方が多いです。
料金については基本相場が8,000円〜10,000円前後です。しかし室内配管カバー施工は部屋の構造により曲がり部品追加や延長が多い作業になるため、それらが追加されると一般的なマンションでも室内配管カバー施工だけで15000円近くかかることも珍しくありません。
室内配管カバーの施工を希望するのであれば、業者さんに設置場所の写真を送ったり、実際に見てもらって事前に見積もりを出してもらった方が安心かと思います。
室外カバー
室外配管カバーの役割は主に下記の3点。
- ・見た目をよくする。
- ・日光や風雨から配管の劣化を防ぐ。
- ・日光の熱を遮断し、熱交換効率の低下を防ぐ。
室内用のカバーとは異なり室外用は機能的な役割があります。そのため設置環境によっては室外配管カバーを施工した方がエアコンにとってもよい現場もあるので取り付け業者に相談すると良いでしょう。特に直射日光が当たる側に室外機を設置する場合には配管もダメージを受けやすくエアコンの性能に影響が出るので室外配管カバー施工は前向きに検討した方がいいと思います。
配管がテープ巻き仕上げの場合、直射日光が長時間強くあたると本当に数年でテープが劣化しボロボロになります。テープがボロボロになれば配管の断熱材、電線の被覆、ドレンホースの劣化も早く、見た目以上の問題につながり結果的に損する可能性も十分にあります。
なお、使用される室外用配管カバーの多くは因幡電工製「SDシリーズ」「LDシリーズ」です(稀にPanasonic製を使用する業者もいます)。室内用の配管カバーは現状白色一択になりますが、室外用の配管カバーは外壁や景観に合わせて、アイボリー、ホワイト、ブラック、ブラウン、グレーが用意されています。施工希望の場合は希望の色を選択しエアコン取り付け業者に依頼してください(業者により取り扱いは異なります)。
基本料金相場はストレート2mで5,000円〜7,000円程度、室内カバーと同様に曲がり部品や延長が必要であればその分追加費用となります。
賃貸住宅の場合の配管カバー施行について
賃貸住宅の中には、「エアコンは取り付けて問題ないけど、カバーはつけてはダメ」という物件がありますので、必ず事前に管理会社や大家さんに確認しておきましょう。
なぜ禁止されているかというと、壁にビス(ネジ)穴があいてしまうからです。配管カバーはなくてもエアコンは問題なく使用できるためエアコン設置に必要な据付板固定以外のビス穴は認められていない場合があります。もし確認せずに配管カバーを取り付けてしまうと退去時に壁の原状回復費として修繕費用を請求されてしまうかもしれません。
エアコン設置後にカバーは後付けできるのか?
室内配管カバーの場合
エアコン設置後の室内配管化粧カバーだけ後付けすることはほぼできません。基本的には、エアコンを一度取り外し、カバーの施工とエアコンの再設置という作業が必要です。
エアコンを取り付けると同時に配管カバーを施工する際、業者は配管ルート決めを行い、カバーに配管が収まるように数ミリ単位で調整しエアコンとカバーを設置します(この手間がかかるから費用も高い)。カバー施工をしない標準のテープ巻仕上げでは基本的にそこまでの調整は行わないのでテープ巻き仕上げの既設エアコンに対して配管カバーだけを綺麗に取り付けることはほぼできません。
室内配管カバーを後付けする時はエアコンの取り外し・カバー施工・再取り付け(・配管交換)の作業が必要になることがほとんどです。エアコン設置と同時にカバーを施工するよりも割高になってしまうので注意しましょう。
室外配管カバーの場合
室内配管より比較的に自由度が高いことが多い室外配管ではエアコンを取り外さずに配管カバーの後付けができることがあります。しかし、施工状況にもよりますので同様にエアコンの取り外し・カバー施工・再取り付け(・配管交換)が必要なケースも珍しくありません。
まずは業者さんに現場状況を見てもらい相談や見積もり依頼するのがよいと思います。
自分でできる?
エアコンの配管カバーはホームセンターや通販でも購入できるのでDIYでの施工を考えている人もいるかもしれません。最も簡単な設置ケースではエアコンを取り外さずに配管カバーの後付けDIYができるかもしれませんが無理に配管を曲げたりすると、ガス漏れや水漏れの原因となります。最悪の場合、配管を無理に動かすことでエアコンが落下する可能性もあります。
なお、配管カバーの取り付けに必要なものは下記の通りです。
【配管カバー取り付けに必要なもの】
- ・インパクトドライバー(外壁にビス打つなら必須)
- ・塩ビカッター(ダクトカッター)
- ・メジャー
- ・脚立(梯子)
- ・ボードアンカー(石膏ボードの場合)
- ・ビス
- ・コーキング剤(必要であれば)
配管カバーの後付けDIYでよくある失敗には、「カバーが真っ直ぐに取り付けできなかった」「壁にしっかり固定できなかった」「配管が動かないからカバーが取り付けられない」などがあります。まずは専門業者に相談、見積り依頼をすることを推奨します。
エアコン設置時に相談しておきましょう。
配管カバーの後付けを希望されるお客さんの多くは「(標準の)テープ巻き仕上げが思ったより気になった」と言います。エアコン設置後に「やっぱカバーをつけたい!」って思っても時間もお金も無駄になるのでエアコン設置前に業者さんと打ち合わせしておくことが大切です。
たまにエアコン工事真っ最中に「カバーをお願いしたいんですけど・・・」とおっしゃる方もいますが、手持ち部材がなく対応できないことも多いですし、工事後半でそんなこと言われたら最初からやり直しでその分追加作業費用がかかることも。配管カバーの施工って意外と簡単ではないんですよ。
まとめ
エアコン設置後の配管化粧カバーの後付けは基本的にエアコンを一度取り外さないと綺麗に施工できないことがほんとんどです。業者さんに相談し現場を見てもらった上で見積もりを出してもらいましょう。
DIYでの配管カバー後付け施工はガス漏れや水漏れ等の問題の原因にもなりますのでオススメしません。そもそもDIYで配管カバーだけ取り付け可能レベルの作業であれば業者さんに依頼してもそこまで費用もかからないと思うので、安心・安全の意味で業者さんに相談した方がいいと思います。
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