同一家屋内でエアコン移設するときの費用や盲点の追加費用を現役職人が解説
「使わない部屋のエアコンを別の部屋に移設したい」と検討している方、最後までお読みください。費用や注意点、現役職人だからわかる追加費用などについて解説します。
なお、室内機は移設せずに「室外機の場所を変えたい」という方は【エアコンの室外機移動費用や注意点などを解説】をお読みください。
【目次】
同一家屋内でエアコンを移設する時の費用
「同じ家の中でエアコンを移設したい」という方も意外と多いですが、その工事費用によって移設することを躊躇する方もいらっしゃいます。逆に、こちら（業者）側からリスクなどの観点から移設作業「やめた方がいいですよ」とアドバイスさせていただくことも稀にございます。
以下、現役職人の著者が詳しく解説しますので、「同じ家内でエアコンの移設を検討している方」は参考にしてください。
標準工事の相場は15000円〜20000円
同じ家内でエアコンを移設する場合の標準工事費用相場は15000円〜20000円だと思います。例えば、2階（室外機はベランダ設置）のエアコンを1階の部屋に移設（室外機は地面設置）する工事では15000円〜20000円で完了するケースが多いです。
しかしこれは、移設先にすでに配管穴・エアコン専用コンセントがあり、配管等の部材は移設先でも再使用できた場合を想定しています。つまり、状況によっては20000〜30000円程度、ケースによってはもっとかかることも普通にあるわけです。
取り付け時の追加費用については下記の記事で書いていますので参考にしてください。
引越し時の移設費用に比べて安い？高い？
「別の遠い場所に移設するわけじゃないし引越し時のエアコン移設より安く済む」と考える方もいるようですが、（設置状況が同じであれば）実際はそんなに変わりません。「取り外し」「エアコンの運搬」「取り付け」の中で、同一家屋内で移設する作業と引越しでの移設作業で違う点は「エアコンを運搬する距離」だけです。
エアコン工事作業内容自体に変わりはないので、引越し時の移設工事費用より安くなるのは基本的に運搬費の項目だけだと思います。
移設よりも買い替えた方がよいケースもあり
人によって「まだ設置して間もないエアコンを違う部屋に移設したい」「ちょっと古いけど子供部屋で使っていたエアコンを違う部屋に移設したい」など、状況や考え方は様々です。
ここで「まだ問題なく動いていますね、はい、移設しましょうね」と言うことはそんな難しくはないですし、そういうスタイルで仕事をする業者さんも一部いるかもしれませんが、リスクも考慮し総合的に移設するかどうか判断することが必要です。
仮に「まだ動くけど設置から8年近く経っているエアコン（当時5万円で購入）を別の部屋に移設したい、そして移設費用が2万円かかる」という現場の工事をする場合、メリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 工事時点での持ち出しが2万円で移設することができる。
- 新しくエアコンを手配する手間がない。
【デメリット】
- 移設後（2万円支払い後）早期に壊れる可能性も低くない。
- 移設後に壊れたとしても保証期間も切れている。
- 移設後に壊れた場合にはエアコン撤去代もかかる
製造・設置してから10年以上経っているエアコンですとそもそも工事を受けてくれる業者さんがかなり少なくなるのでお客様も諦められる方が多いのですが、製造・設置年数が7〜9年くらいですとなかなか判断が難しいところになりますのでメリット、デメリットをしっかり考えて判断したいところです。
なお、上記メリット・デメリットもエアコンの状態や実際の工事費用、お客様の生活スタイルにより重視する点も異なってきます。
同一家屋内で移設する際の意外な費用
「同一家屋内でエアコン移設」については想定外の追加費用がかかることもあります。
まずは、配管穴のカバー。
多くの戸建（持ち家）ではエアコン設置工事の際に配管穴（スリーブ）があけられているため、エアコン取り外し後に壁に残る配管穴のフタがありません（よね？）。通常、エアコンを取り外したあとはこの穴は粘土のようなパテ（色はグレー）で塞ぐのですが、やはり戸建で白いクロスの壁にグレー色の粘土みたいなやつがペタってなっているのに違和感を感じる人もいます。そこでお客様が希望される場合には専用のカバー（白色・アイボリー色）をすることもできるのですが、これは1000円〜3000円程度かかります。
部品自体はホームセンターやAmazon等でも購入でき、お客様の方でもはめることはできると思いますが、現場によってはコーキング（防水処理）等も必要になるので業者さんに任せることをおすすめします。
次に、配管カバー移設費用です。
移設したいエアコンに元々使用されていた（室内・室外）配管カバーも「移設先で再使用すれば新規に配管カバー代はかからない」と思っている方も多いです。
しかし実際は、新規部品代が節約できるだけで再取り付け工賃はかかります。簡単な設置等であれば追加費用なく再設置してくれる業者さんもいますが、「工賃はかかるもの」と考えていた方が無難です。
また、移設元と移設先で設置状況も違えば使用する配管カバー部材の種類や量も変わりますので再使用するにも条件が揃わないと難しいです。
工事費用を安く抑える方法
同一家屋内でエアコンを移設するときの工事費用だけでなく、どんな内容の工事でもなるべく安く依頼したい時に行うことは一緒です。簡単なステップを紹介します。
- 1.現場の写真を撮る。
- 2.撮った写真で業者さんに見積もりしてもらう。
- 3.見積もり内容から必要な工事・部材等をある程度把握する。
- 4.他の業者にも同内容で見積もりをお願いする。
- 5.比較検討する。
最初の見積もりの段階でエアコン工事素人のお客様が事細かに口頭で説明し正確な見積もりをとることは結構ハードルが高いと思います。だからこそ電話案内しかしていない会社・業者さんに問い合わせても「だいたいこれくらいの金額かと・・・工事当日に追加費用の可能性もあります」と回答されるケースがほとんどです。
スマホで簡単に写真が撮れる時代。業者も写真を見れば90%くらいのことは判断できるはずです。
同一の写真であれば認識のズレを少なくすることができ、より正確な見積もり内容を得られますので、その中で比較検討することで工事費用を安く抑えることができます。もちろん工事費用も重要な点かと思いますが、安かろう悪かろうでは後悔してしまうこともあるので安さだけで業者選びをしないよう留意してください。
工事依頼先とそのメリットデメリット
エアコン移設工事の依頼先は大きく分けてみました。もし、移設費用を安く抑えたいのであればインターネットで業者さんを探すのがオススメです。しかし、それぞれメリットデメリットがあるので紹介します。
引越し会社
そもそもエアコン工事も請け負っている引越し会社でも引越しが伴わないエアコン工事単体では依頼できません（＊「賃貸からの引越しで元々設置してあったエアコンを外したから元に戻したい」などの場合には引越し作業と同時に依頼できると思います）
メリット
- ・引越し作業と同時にエアコン工事依頼、作業ができるため手間があまりかからない。
- ・全国対応可能（大手引越し会社の場合）
デメリット
- ・エアコン工事業者は外部の委託業者。お客様は当日までどんな業者が来るかわからない。
- ・エアコン工事を見積もりする人は引越し会社の営業マン（一部除く）。エアコン工事のことを詳しく知らないため、当日に工事業者から追加費用請求の可能性あり。（会社によっては工事業者が見積もりする場合もあり）
- ・オプション工事の詳細料金が不明瞭。
街の小さな電気屋・家電販売店
メリット
- ・店舗があることや顔馴染みであれば安心して頼みやすい。
- ・移設ではなく買い替えになった場合でもすぐに対応してくれる。
デメリット
- ・移設工事だけの依頼では引き受けてもらえない場合がある。
- ・引き受けてくれても工事代金が比較的割高。
インターネット検索で出てくる業者さん
メリット
- ・移設工事代金が比較的安い。
- ・メールやメッセージアプリで事前に写真などを共有できる。
- ・工事代金や口コミなどで色々な業者を簡単に比較できる。
- ・小中規模の業者は柔軟に対応してくれるところが多い。
- ・数多くいる業者さんを簡単に比較検討できる。
デメリット
- ・業者がたくさんいて、どの業者に依頼すれば良いかよくわからない。
- ・何か有事が生じたときに連絡がつかなくなる可能性がある。
まとめ
同一家屋内でエアコンを移設する場合も基本的には引越し時のエアコン移設と考え方は一緒です。
移設すると想定した時の機器の状態・工事費用や移設後の故障・買い替えのリスク等を考慮し、移設するか、買い替えるか判断する必要があります。
「工事費用を安く抑えたい」場合には写真を活用し相見積もり。でも安易に一番安い会社に依頼するのは要注意です。安く抑えつつ信頼できる業者さんを探したいのであればインターネット上の業者さんに依頼するのがオススメ。「エアコン移設 〇〇（地名）」で検索して、ホームページ内容や口コミ、問い合わせ時の対応などを判断材料にしてみてください。
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