引越し時のエアコン移設費用詳細・相場を現役業者が解説|エアットコ

引越しや譲渡の際のエアコンの移設作業では、取り外し、取り付けの両作業が伴うので一般のお客様が知っておくべきことが増えます。あまり調べたり比較しないで適当に業者に依頼するとトラブルになることもあるので注意してください。

なお、「室外機の場所を変えたい」という方は【エアコンの室外機移動費用や注意点などを解説】をお読みください。

「同じ家の中で別の部屋にエアコンを移設したい」という方は【同一家屋内でエアコン移設するときの費用や盲点の追加費用を現役職人が解説】をも参考にしてみてください。

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エアコン移設費用の相場

誰しもが気になるであろうエアコンの移設費用についてお話ししますが、大前提としてエアコン設置状況や施工方法で工事費用は大きく変わりますので、その点ご注意ください。

標準工事の場合は15000円〜20000円

取り外し工事も取り付け工事も標準工事で完了する場合の移設工事相場は15000円〜20000円程度です。しかしこれはあくまで工事費用だけ見たものであり、実際には取り付け先までのエアコン運搬費がプラスでかかることが多いと思います。

エアコンの標準設置例
エアコンの標準設置例

運搬費については搬出搬入が一人で容易に行え、さほど遠い距離でない場合なら2000円〜5000円程度で請け負っている業者も多いです。

お客様自身でエアコンの運搬をすることで運搬費用を節約できますが、室外機は25kg〜35kg(軽いものでも20kg、重いものだと50kgを超えます)くらいのものが多いので、慣れていない人にとっては過酷な労働になりますし、下手すれば壁や床を傷つけてしまうこともありますので業者さんに任せるのが無難だと思います。

なお、エアコンの運搬を行わない業者・会社さんもいるので運搬希望の場合には事前に確認しておきましょう。

工事当日に追加費用が発生することも珍しくない

エアコンの移設工事では事前に聞いていた見積もり金額にプラスして工事費用を請求されることも珍しくありません。ネット上で「エアコン移設 料金」などと検索すると「引越し会社に支払った2万円とは別に5万円請求された」などの料金トラブルになってる事例を目にしますし、実際に著者自身もお客様からそのような話はたくさん聞いてきました。追加料金の請求についての原因は基本的に下記3つのどれかになると思います

現場でしか判断できなかった

「エアコンに使用されている配管が移設先では長さが不足し再使用できなかった」
「エアコンのガスが不足していることがわかった」
など、現場でしか確認・判断が難しいことがあります。見積もり段階でそのような追加費用発生の可能性やその時の費用を伝えてくれる業者さんもいれば、全く案内しない業者・会社もいます。

やりとり不足

最近ではメールやLINE・その他チャットアプリで写真をお客さんに送っていただき現場状況を確認する業者さんも多くなりました。しかしまだ電話のやりとりだけで大まかにヒアリングし、ぶっつけで工事するケースが多いはずです。電話の場合はイメージしか作れないのでその中でしか見積もり金額を算出することができません。実際の現場とギャップがあった場合に追加費用が発生してしまいます。

依頼主もなるべく写真をみてもらったり(送ったり)、現地見積もりをお願いしてみましょう。

業者がセコイ

中には交換しなくても問題ない部材を強引に売りつけたりする業者もいます。→【悪質業者の判断方法

料金表を明示している業者に頼んだ方が良い

前述の通り、移設工事では取り外し・取り付け工事の両方が伴うため工事費用も高くなるばかりか、追加費用がかかる確率も上がり、工事当日に追加請求となることもあります。

追加費用を言い値(かつ高額)で請求する業者も中にはいますので、事前に料金表が確認できる業者に依頼した方が安心です。追加費用を請求された場合も「ちょっと高いよな」と思ったら「料金表ありますか?」と言うこともできます。

エアコン移設前に確認すること

新しいエアコンに買い替えるか考える

8年以内は移設OK、10年近く使っているなら要検討

エアコンの寿命(メーカー基準での標準使用寿命)は約10年とされているため、移設するエアコンが製造年より10年近く経過している場合には移設するかどうかをよく考えた方が良いです。また、製造年より8年以上経過している場合、移設工事を引き受けてくれる業者さんも少なくなります。

その主な理由は、機器的に壊れやすくなっていること・メーカーの部品保有期間が過ぎることの2点です。

今まで特に大きな問題もなく使用できていたとしても移設工事の際は取り外し・運搬・取り付けと、少なからずもエアコンに負荷がかかり、万が一部品が壊れてしまったらメーカーでの部品調達も不可能となるケースもあります。そのため工事業者も手を出しにくく、引き受けてもらえないことがあるのです。

さらに10年近く経過しているとその先使えても数年で何かしらのトラブルにあう確率も高く、結局買い換えることになることも。せっかく移設したのにその工事費用が無駄になってしまったというケースもあります。

しかし、新品時から10年近く経っているエアコンでも「移設が絶対NG」というわけではなく、単身赴任などで「あと1年だけ使用できればいい、新しく買いたくない」などのようにそれぞれ事情もあると思いますので、業者さんに相談してみるのもいいでしょう。

もし、買い替えも検討されるなら注意しておきたいことを下記記事で書いていますので参考にしてください。

移設元、移設先の状況を確認する

当然のことながら現状のエアコン設置状況、移設先の設置状況により施工方法や工事費用もかわります。業者さんに問い合わせの際に必要になる情報なので移設元、移設先の両現場について必ず状況を確認しておかなければいけません。

エアコン取り付け工事を業者に依頼する前に確認すべきこと

エアコン取り外し工事を業者に依頼する前に確認すべきこと

さらに、賃貸住宅の場合にはエアコンを設置できる場所が決められていたり、設置不可という場合もあります。まずは管理会社やオーナーへ確認した方が無難です。

工事依頼先とそのメリットデメリット

エアコン移設工事の依頼先は大きく分けてみました。もし、移設費用を安く抑えたいのであればインターネットで業者さんを探すのがオススメです。しかし、それぞれメリットデメリットがあるので紹介します。

引越し会社

メリット

  • ・引越し作業と同時にエアコン工事依頼および作業ができるため手間があまりかからない。
  • ・エアコンの運搬も任せられる。
  • ・全国対応可能なため県をまたいでも依頼可能(大手引越し会社の場合)

デメリット

  • ・エアコン工事業者は外部の委託業者。お客様は当日までどんな業者が来るかわからない。
  • ・エアコン工事を見積もりする人は引越し会社の営業マン(一部除く)。営業マンはエアコン工事のことを詳しく知らないため、工事当日に工事業者から追加費用請求の可能性あり(会社によっては工事業者が見積もりする場合もあり)。
  • ・オプション工事の詳細料金が不明瞭。

街の小さな電気屋・家電販売店

メリット

  • ・店舗があることや顔馴染みであれば安心して頼みやすい。
  • ・移設ではなく買い替えになった場合でもすぐに対応してくれる。

デメリット

  • ・移設工事だけの依頼では引き受けてもらえない場合がある。
  • ・引き受けてくれても移設工事代金が比較的割高。
  • ・遠方への移設は依頼できない。

インターネット検索で出てくる業者さん

メリット

  • ・移設工事代金が比較的安い。
  • ・メールやメッセージアプリで事前に現場写真などを共有できる。
  • ・工事代金や口コミなどで色々な業者を簡単に比較できる。
  • ・小中規模の業者は柔軟に対応してくれるところが多い。
  • ・依頼したい業者さんを自分で選べる。

デメリット

  • ・移設時はエアコンの運搬をしてくれない業者もいる。
  • ・業者がたくさんいて、どの業者に依頼すれば良いかよくわからない。
  • ・何か有事が生じたときに連絡がつかなくなる可能性がある。

悪質業者の判断方法

エアコン移設工事を行う業者の中には引越し会社等からかなりの低単価で仕事を請け負っている業者もいます。当然その工事費用では割りに合わないことも多く、お客様をだまして工事単価を上げようとする業者がいます。

特に、「エアコンのガスが減っていてこのままではガス補充作業を行わないとエアコンが効かなくなる」と訴える業者がいますが要注意です。もしエアコン移設時(中古取り付け時)にこのようなことを言われたら下記のことを確認してください。

・移設(取り外し)するまで問題なく冷暖房使えていた場合
→ガス漏れ・不足なし。業者にだまされるな!
ガスが不足しているのであれば取り外し前にだいたい判明します。取り外し作業完了後に言われたらかなり要注意(※お客さんが気がつかないうちに本当にガス漏れし冷暖房が効かなくなっていることもある)。取り外すまで冷暖房が問題なく使用できていたなら基本的にガス補充の必要なし。
・取り外し作業中に「プシュー」という音が聞こえた場合
→業者が故意にガスを抜いているか(ガス不足状態の作り上げ)、正規の取り外し(ポンプダウン、ガスの回収)をしていない可能性あり。この音の後に「ガスが不足している」と言われたら要注意(配管取り外し時に一瞬「プシュ」と音が出る場合もありますがこれは問題なし)。

その他、そのエアコンに使用されているケーブルは問題ない2.0mm2であるのに、「1.6mm2の細いやつが使われていて危ない、2.0mm2ものに交換しないとダメ」とお客様を煽って法外な追加費用を請求する業者がいるようです(実際に4mのケーブル交換で8,000円請求されたお客様がいました)。

この問題点として、一般のお客様に1.6mm2と2.0mm2の太さを見分けるのは難しい点があります。怪しいと思ったら、そのエアコンのケーブルと2.0mm2のケーブルの現物を見せてもらうといいかもしれません。

なお、業者を疑いの目で見続けると本当に優良な業者でも嫌に気分になり仕事のパフォーマンスを下げてしまう可能性もあるのでほどほどに・・・

まとめ

エアコンの引越し・移設工事では取り外しと取り付け工事、さらにはエアコンの運搬もあるため工事費用については設置状況だけでなく業者間でも結構変わることが多いです。中には見積もりで安く案内しておいて工事当日に高額な追加費用を請求するなんてことをしてる会社も・・・。

「安く抑えたい」と相見積もりした上で安易に一番安い会社に依頼するのは要注意。現場状況についてしつこいくらいにヒアリングしてくれたり、見積もり時に当日の追加費用の発生の可能性などについても案内してくれたりする業者は信頼できる可能性があり結果的に安く抑えられることもありますよ。

安く抑えつつ信頼できる業者さんを探したいのであればインターネット上の業者さんに依頼するのがオススメ。「エアコン移設 〇〇(地名)」で検索して、ホームページ内容や口コミ、問い合わせ時の対応を参考にして業者さんを選びましょう。

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