エアコン取り外し工事料金の相場や追加費用を現役職人が解説

現役のエアコン工事職人の著者が一般家庭用エアコンの取り外し費用や不要エアコンの処分について解説しますので参考にしてください。

現役で現場に出ているからこそわかる「こんな時どう?」「あんな時は?」のエアコン取り外しに関して解説していきます。

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エアコン取り外し費用の相場について

エアコン取り外し費用は設置状況、機種により変わりますが、標準設置の場合の相場は4,000円〜6,000円。高くても8,000円です。

家電量販店のエアコン取り外し費用

エアコン工事と聞いて皆さんが最初に思いつくのがきっと家電量販店だと思います。量販店はエアコンの取り付けだけでなく取り外し工事や修理なども相談できます。

しかし家電量販店の場合、その費用については同じ作業内容でも依頼するパターンによって違います。

パターン1:新品エアコンの購入・設置と同時依頼

まず、新しいエアコンを家電量販店で購入し設置工事の時に既設の古いエアコンを取り外してもらうケース。この場合、標準取り外し料金は4,400円〜8,800円です。

量販店別取り外し工賃
量販店 標準取り外し費用
ヤマダ電機 6,600円
ケーズデンキ 6,600円
ヨドバシ 4,400円
ビックカメラ 4,400円
エディオン 8,800円

なお、取り外したエアコンを引き取って処分してもらう場合には別途リサイクル料(990円〜)と収集運搬費用が追加になり、標準取り外し+処分だけで1万円程度かかります。もし少しでも節約したい場合には自分で郵便局でリサイクル券を購入し処分するエアコンを市の指定場所まで運べば収集運搬費用を節約することができます(自分で処分する方法の詳細はこちら)。

なお、標準設置の場合の料金ですので設置状況によっては追加費用がかかることは忘れないでください。(追加費用詳細はこちら

パターン2:取り外し工事のみを依頼

ヤマダ電機やケーズデンキなどではエアコンを購入せずとも、ただ取り外してもらう作業依頼もできるみたいです。しかしその場合には上記表にある金額に出張費として2,200円〜3,300円が追加でかかります。もし取り外したエアコンを処分したい場合にはさらに別途リサイクル料(990円〜)と収集運搬費用が追加になり総額で10,000円以上になります。

新品エアコンの購入を伴わない場合、家電量販店でのエアコン取り外し作業は割高なのでコスト的に観点からはオススメではありません。

ネット業者であれば標準工事で4000円〜6000円が相場

ホームページなどで自社集客している業者さんにおけるエアコン標準取り外し工事の相場は4400円〜6600円(税込)。安く済ませたいのであれば量販店よりも自社集客しているネット業者がおすすめです。

取り外し工事のみの依頼の場合、量販店は必ず出張費がかかりますが、ネット業者の場合には出張費込みで4400円〜6600円で請け負っている業者さんもいるので近隣でそのような業者を探せればお得に依頼できます。「エアコン取り外し+地域名」で検索してみてください。

なお、同じネット業者でもポータルサイト(比較サイト)に登録されている業者の場合は8,000円〜10,000円が相場になっています(ポータルサイト側に支払う手数料が高いのでこの金額でないと見合いません)。安くエアコンを取り外し工事を依頼したいのであれば業者さんのホームページなどから電話やメールで直接問い合わせをしてみましょう。

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自分で取り外すには

当然のことながら自分でエアコンの取り外しができれば業者いらずなのでお金をかけることなくエアコンを取り外すことができます。取り外しに資格等は必要ありませんので道具と知識・経験があれば業者でなくても取り外し作業ができます。

しかし、冷媒ガスの回収作業(ポンプダウン)や機種ごとに微妙に違う取り外し方があるので全くの素人さんが行うことはオススメしません。失敗しても自己責任です。再使用する予定のエアコンであれば尚更、業者さんに丁寧に取り外してもらった方がいいと思います。

壊れたエアコンの取り外し

壊れて動かないエアコンの取り外しは事情が変わってきます。

動かないエアコンは冷房運転を行うことができないので、室外機の中に循環しているガスを回収する作業(ポンプダウン)を実施できません。当然ながら、このまま配管をエアコンから外そうとするとガスがものすごい勢いで出てきます。また、エアコンの中に入っているガスを故意的に漏らすことは違法です。

エアコンが動かない場合には、冷媒回収装置という専用の機械とを使い、専用のボンベに回収してからエアコンと配管を取り外す必要があります。この冷媒回収装置を使わなくてはいけないケースですと、ガス回収処分費用だけで10,000円〜30,000円くらいかかることも多いみたいです(ボンベに回収されたガスはガス破壊業者に運ばれ、害がなくなるように破壊されます)。

冷媒回収装置は全エアコン工事業者が保有しているわけではないのでエアコンが壊れている場合にはその事実を問い合わせ時に業者に伝え、作業可能か、いくらかかかるか確認しておきましょう。

エアコンが動かないと言っても、ただリモコン(または赤外線受信部)の故障で動かないだけで、本体のボタンだけで冷房運転を行える機種であれば通常通りポンプダウンを行えるので回収装置による冷媒回収は必要ありません。

特殊設置の場合の追加費用

ここまで標準設置の場合のエアコン取り外し費用についてご紹介しましたが、標準設置以外の特殊なケースでは追加費用がかかります。まずは標準設置がどんなものか知っておきましょう。

標準設置について

標準設置状況
標準設置例

【標準設置状況】

  • ・室内機と壁一枚挟んだ所に室外機が平置きで置いてある。
  • ・高所作業や危険な作業が伴わない。
  • ・1人で問題なく作業できる範囲。

【取り外し作業内容】

  • ・冷媒ガスの室外機への回収(ポンプダウン作業)。
  • ・配管類の取り外し。
  • ・エアコン本体、室外機の取り外し。
  • ・配管貫通穴のパテ埋め処理。
  • ・配管カバーがある場合にはカバー取り外し。

※特に回収処分を希望しなければ、また取り付けられるように取り外してもらえると思ってよいでしょう。

特殊な設置について

エアコン工事に従事していない人でもわかるとは思いますが、あの重い室外機の設置場所(屋根上や高所の壁面など)によって取り外し作業は大変になりそれぞれの状況により追加費用がかかります。「特殊設置」としては主に以下が該当します。

公団吊り

公団吊り(天吊り)。追加相場3,000円〜6,000円。

壁面設置

壁面設置。追加相場3,000円〜6,000円。※状況により大きく異なる場合あり

たちおろし

室内機と室外機が異階設置。高所作業(スライダー使用)代として追加相場3,000円〜6,000円。※状況により大きく異なる場合あり

屋根上設置

屋根上設置。追加相場3,000円〜6,000円。※状況により大きく異なる場合あり

隠蔽先行配管

隠蔽先行配管。追加相場2,000円〜5,000円。※状況により大きく異なる場合あり

不要なエアコンの処分方法

取り外すエアコンが不要な(もう使わない)ものであるならば自分で処理する方法と業者に任せる方法があるのでそれぞれ解説します。

1.取り外し作業から処分まで全部業者に任せる

全部業者に任せるのがもっとも一般的な方法だと思います。家電量販店でもネット業者でも依頼できます。

家電量販店の場合前述の通り、取り外し工事費用+収集運搬費+リサイクル費用がかかり合計で1万円以上かかります(エアコンの購入を伴わない場合)。一方、ネットのエアコン工事業者の場合には5千円〜1万円程度で依頼できる業者が多いです。

ここで注意したいのが比較的新しいエアコンの処分です。家電量販店などではまだ使えるどんなに新しいエアコンでも処分の対象とするため、処分費用は変わりません。一方でホームページなどで自社集客している小中規模の業者ではそのようなまだ使えるエアコンは買取していたり、処分(リサイクル)費用が無料ということが多くあります。お客さんにとって不要でも実はまだ価値がある場合もあるのでまずは「エアコン処分(撤去)+地域名」で検索して業者さんを探してみることをオススメします。

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2.業者に取り外してもらって自分で処分する

ちょっと難しいエアコンの取り外しは業者さんに任せて、処分を自分で行えば収集運搬費用を節約できます。なおこの場合、業者さんは取り外した室内機、室外機をその場に置くだけで依頼主の車へ運ぶことはほぼありません。室外機もほとんどが25kg〜35kg(中には40kgオーバー)なので慣れていない方が一人で運搬するには大変。「車まで運ぶことができるか」「階段で降ろせるか」などは注意してください。

3.自分で取り外して回収処分は業者に依頼する

エアコンは自分で取り外せたけど、指定引取場所まで運搬する車を持っていない場合には引き取り回収だけ業者に依頼することもできます。依頼先は一般廃棄物収集運搬許可業者になり、許可業者は県または市のホームページ内で一覧を確認できます。

リサイクル料+収集運搬費だけの出費で済みます。

4.自分で取り外して自分で処理場まで持ち込む(全部自分で)

面倒だけど最も安く処分したい方向けです。エアコンを自分で取り外し、郵便局でリサイクル券を買って、市が指定する指定引取場所へ持ち込むことで処分できます。リサイクル券は郵便局で「エアコン処分したいのでリサイクル券欲しいんですけどー」って言って料金を支払えば大丈夫です。なお、その場でスムーズに用紙に記入できるようにエアコンのメーカーと型番はあらかじめ控えておきましょう。

エアコンリサイクル料一覧
エアコンメーカー リサイクル料
Panasonic 990円
東芝 990円
ダイキン工業 990円
日立 990円
SHARP 990円
富士通ゼネラル 990円
三菱重工 990円
アイリスオーヤマ 2000円
LG Electronics 990円
kOIZUMI 990円
長府製作所 990円

ちなみにエアコンを取り外すということは一緒に不要な配管も出てしまうことになります。場合によっては配管化粧カバーも処分品として出るはずです。自分でエアコンを取り外したのならそこも責任持って処分しなくてはいけません。

家電リサイクル法では、エアコン本体のみが対象なので同時に取り外した配管や配管化粧カバーを処理施設に持ち込むことはできないので要注意。

エアコンの配管はほとんど(加湿・換気機能搭載機種以外は)保温材がついた銅管、銅線(電線)、ドレンホースの3つ。家庭ゴミとして出すならば銅管・銅線は規定の大きさにカットして不燃ゴミへ、ドレンホースや化粧カバーはプラ(地域によっては可燃)で出せるはずです(詳しくは地域の役所に聞いてください)。

しかし実は、銅管や銅線は貴重な資源ですので鉄くず屋さんで売れます。道を走っていると見かける「鉄・金属高価買取」などと看板を出している所に持ち込むだけ。エアコン1台や2台分の配管だけであればお昼ご飯代になるかならないかくらいの金額かもしれませんが、自分で処理する手間暇を考えたら使わない手はありません。鉄クズ屋さんが近くにない場合には、地域の役所に聞いて適切に処分してください。

まとめ

エアコンの標準取り外し費用相場は4000円〜8000円で、ホームページ等で自社集客している業者に直接依頼するのが最も安いです。なお、設置状況や機種により追加費用がかかることもよくあるので必ず状況確認の上、問い合わせをしましょう。

処分するエアコンも5000円〜10000円程度(標準設置の場合)で取り外し〜処分まで家電量販店や業者に依頼することができます。「エアコンを取り外して処分したいだけ」の場合、家電量販店は割高なのでまずは地域のエアコン工事業者さんや不用品回収業者さんをインターネットで探してみるといいと思います。家電量販店より高くなることはめったにありませんよ。

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以上、一般家庭のエアコン取り外しについて解説しました。取り付け工事の料金についても知りたい方は下記の記事も読んでみてください。

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